2008年12月09日

ルポ貧困大国アメリカについてみんなが誤解していること

(資産運用の話じゃないので興味がない方は読まないでください)

著者は川田龍平先生のご夫人、堤未果先生。クールビューティって感じの素敵な方だ。

焦って本文を読む前にプロローグとあとがきを読んでおこう。

なんで日本の憲法の話が出てくるの?日本国憲法25条の生存権?この本アメリカの話じゃなかったけ?という疑問を持ちながら読み始める。

突っ込みどころ、著者の本音が見えてくる。というか、その筋のプロフェッショナル?

ルポ 貧困大国アメリカ (岩波新書)
堤 未果
岩波書店
売り上げランキング: 485
おすすめ度の平均: 4.5
3 日本エッセイストクラブ賞受賞!
5 アメリカ
5 目を開かねば見えない
5 丹念によく調べ上げられています
5 海の向こうから


民間軍事会社民間警備会社(PMC)は貧困層を一山いくらで紛争地に送り込む装置のように説明されている。

派遣の対象者はアメリカ国民だけではない。世界中の貧困層だ。特にサイマー(多重債務者)に紛争地への派遣ビジネス、という形で借金返済への道筋を作らせる。

でも、これって間違いではないかもしれないけど一部しか描いていない。

PMCは研修や作戦プラン、実際の作戦の指揮、特殊な技能の求められる高度な任務などの商品も提供している。南アフリカの有名な民間警備会社エグゼプティブ・アウトカムズの業務実績などを無視しており疑問を持たざるを得ない。

現に日本の商船もインド洋でソマリアの海賊と思われる船に砲撃されている。

にもかかわらず海上自衛隊の出動法案も可決していない。

日本の商船が頼る先と言ったら民間警備会社くらいしかない。

食糧の6割、燃料のほとんどを海外に頼る海洋国家には海の安全はとても大切。というか、シーレーンが確保できない、というのは死を意味する。



日本も明治維新前後、外国人を招聘し防衛力の近代化に努めた。近代化が立ち遅れた国の防衛力を手っ取り早く近代化させるには民間警備会社に教育や組織改革を求める。それが優れた方法であるのは日本の歴史も証明している。

民間警備会社に対し本書のように一山いくらの安価な防衛力を提供するだけの人材派遣業、と言ったような誤った印象は持つべきではない。

現実には、米軍をはじめとした世界中の多くの軍隊が民間警備会社なしには立ち行かなくなっている。

また、米軍が陸海空軍を擁しているような書き方がされている。これも正解ではない。米国には陸軍、海軍、空軍、海兵隊がある。沖縄にも海兵隊の基地はあるのだから沖縄県民を逆なでするような真似はヤメレ。

軍隊の編成は、各国の事情により様々だ。国防軍という形でひとつの命令系統の国もあれば、政党や指導者の軍隊がある国もある。日本の常識で米軍を分析しようとするから分析の甘さを露呈することになってしまう。

ちなみに陸海空軍は議会の承認がないと動かせない。海兵隊は海軍の一部ではなく、別系統のひとつの軍隊だ。大統領の判断で動かせる。つまり、大統領の軍隊とも言えるわけだ。


調査不足や誤認識に基づいた内容が気になる。というか最初から日本国憲法25条!という結論ありき、という誤解を与える。

日本国憲法25条の提灯記事。そのためのかませ犬として、アメリカの貧困層から適当な現実を選んで肉付けしていったような印象がある。

最後におまけ。日本国憲法の9条と25条を大切にする著者の思いが伝わってくる動画。


関連エントリ
のらFPのブログ: アメリカで大事なことは?
http://norafp.seesaa.net/article/104594485.html

posted by のら at 23:00 | TrackBack(0) | 「日記力」を鍛える | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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