しかし、挑発的なタイトルに惹かれて読むと肩透かしを食らう。
ハーバード近辺の書店から撤去された、と書かれているのが疑わしいほど冷静で中立的な議論がされている。
昨晩(2009年7月21日)見た、NHKスペシャル「マネー資本主義 最終回 危機を繰り返さないために」のほうがよほど批判的で中立性を欠く内容だ。
その一方で、結局元の職場かそれに隣接する分野にしか就職できない卒業生の実態も書かれている。プライベートエクイティや投資銀行に就職したいものはハーバードビジネススクールの卒業生、というだけでは評価に結び付かない。
かつて、プライベートエクイティや投資銀行で働いていてHBSの卒業生でなければ就職できない。
就職ができるのはお勉強ができる子よりも実務経験があるヤツ、ってわけだ。
そうした中で、お金を(たくさん)稼ぐために(家族や人間らしい余暇などあらゆるものを犠牲にしても)エリートビジネスマンという役割を演じ続け働くべきなのか、という著者の苦悩が伝わってくる。