2011年02月19日

思考実験としてのつみたて投資

星野泰平氏の「半値になっても儲かる「つみたて投資」」を読んだ。

ドルコスト平均法で購入した場合と、一括購入した場合の比較が非常に面白い。巻末の参考資料だけでも読む価値がある。

著者はドルコスト平均法がベスト、と言ってはいない。ドルコスト平均法による定時定額購入は驚くほどリスクを低下させる効果があること説いている(同時にリターンを低下させることも指摘している)。

それを実証するために膨大な数のシミュレーションも同時に行っている。



しかし、ドルコスト平均法はリスクを低下させる代わりに、リターンも減らしてしまう。同じ金額を一括投資した場合と、つみたて投資した場合の比較も出ており、非常に参考になる。

様々な、アセットアロケーションでシミュレーションを行っているのだが、10年間のつみたて投資ではリターンは概ね1.3倍〜1.4(年率3。5〜4%)程度になる。それに対して、一括投資で10年間放置するとリターンは最大で1.9倍(年率0%〜7%)程度、平均では1.6倍(年率5%)になる。

つみたて投資は早い時期に投資する機会を逸する、と言う点では不利にもなり得る。

手元にキャッシュを置いておく期間が増えるのだから当然だ。ただし、心穏やかに長期投資をする、という目的のためには何がしかの効用があるともいえる。

つみたてか一括かのどちらか、という二者択一ではない。定期的な給与などはつみたて投資、まとまったお金が入ったら一括投資、という使い分けをする上でも参考になる。

異なるアセットアロケーションで最近10年間積み立て投資をした場合の比較も参考になった。アセットアロケーションの差にかかわらず、積み立て投資をしていると、概ねリターンは4%程度に収斂している。この試算自体は配当金の扱いについての記述などがなかったので参考にしかならない。それでも、ドルコスト平均法のリスクを低下させる効果だけは十分実感できる。

欲を言えば、巻末の参考資料では配当金の扱いをどうしているのかの記述が欲しかった。読んだ限りでは配当金は再投資には回していないように読める。配当金の再投資を考慮すると、一括投資のほうがさらに有利になるように思える。
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『半値になっても儲かる「つみたて投資」』 星野 泰平 (著)
Excerpt: いろいろな投資系ブログで話題になっていたので読んでみた本です。 本書の「つみたて投資」とは、ドル・コスト平均法のことです。定額購入法とも言うらしいですが、いずれの用語も本書には出てきません。 ..
Weblog: 高等遊民の備忘録
Tracked: 2011-07-07 15:48
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