それに対してこちらは開発現場の人向けに書かれた本です。
何を発注元、元請け、下請けの関係の構築の仕方、何をしなくてはならないか、何をしてはいけないか、を技術的側面から丁寧に説明しています。
「勝者のいないゲーム」に関する考察が面白かったです。
火を噴いたプロジェクトの鎮火をするために投入される敏腕SE。しかし、鎮火のための仕事は困難ですが鎮火して当たり前、鎮火に失敗したりしたらマイナスの評価しか得られません。
そもそも、鎮火にあたるプログラマの主任務は(自分の責任でなくっても)マイナスの状態にあるものをプラマイゼロの状態まで復帰させることです。
ですから、大変困難な仕事であっても、鎮火して当たり前、という評価しか得られないわけです。こうした、人事評価体系や仕事の評価などを問題点として指摘しつつも、一人のサラリーマンとしてそうした勝者のいないゲームとどう関わるか、あるいは上手に逃げるか、等の選択が大切になってきます。
一般向けの本ではありません。しかし、専門用語もあまり出てこないので一般向けのビジネス書としても読めると思います。
ハッピィ・エンジニアリング 新しいシステム開発の処方箋 | |
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