2008年06月06日

プレカリアートを極めた女

プレカリアートセーフティーネットについて詳しく書かれている。

(プレカリアートとはフリーター契約社員などの不安定な雇用状態のものの総称。要はワーキングプア

第6章後半、第7章のぶっ飛んだ議論は別として、プレカリアートが急な解雇や不当な労働状況にどのように闘っていくかが書かれている。再チャレンジの手法、ステップの駆け上がり方も抜かりない。

私もいつプレカリアートになるか分からない。雨宮処凛は自己責任、勝ち組というプロパガンダに踊らされて資格取得に走る私のような庶民に冷や水を浴びせまくる。自己啓発資格取得をめざす行為自体が収奪されるプロセスに組み込まれることを指摘する。

自分はプレカリアートでない。プレカリアートになることはない、と高をくくっている人。そんな人は安泰だろうか?

生きさせろ! 難民化する若者たち
雨宮 処凛
太田出版
売り上げランキング: 6068
おすすめ度の平均: 4.0
4 雨宮処凛の社会派宣言
1 KY・氷河期・60年代
4 プレカリアートを読め
4 責めるだけでは説得力に欠ける
5 興味深い内容


管理職、裁量労働やサービス残業、所属組織への忠誠心という名のもとでの過労の危険は常に付きまとう。医師であっても、弁護士であってもだ(むしろ労働基準法で守られないそうした専門職のほうが過労のリスクが高い)。

大企業の正社員やお役所の人も例外ではない。組織は簡単には壊れない。しかし、人間はとても壊れやすい。肉体も心も、互いの関係も。

組織力の前には個人の力などあっけない。優秀な人間であってもだ。組織に闘いを挑むことで尊敬はされるかもしれない。でも1人で組織に対抗しようとして敗れた馬鹿な人、とも思われるだろう。

いや、だから御用組合に入ろうYO!て逝っているわけではないんだけどね。

自分が過労や労務環境で精神や身体を壊されそうになったらどうすれば良いのか。劣悪な環境に諦めるか、戦うのか、逃げるべきか。どれが最適な選択か考えさせられる。

実際に組織に殺された人、戦った人の話は労働者が知っておいて損はない話だ。

そして、本書を読むとネットでの世論が右傾化しやすいこと、ガチガチのリバタリアニズムを標榜している小泉政権が支持されたこと、ホリエモンが希望の星のように持ち上げられたことも直感的に分かるような気にさせられる。

関連エントリ
フリーターの置かれている状況をもう少し理解してもらいたい
http://norafp.seesaa.net/article/99389178.html
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